眼鏡100%【1】
2日程仕事の都合で書けませんでした(涙)
今日は連載中のShock!ではなく、新連載「眼鏡100%」をお届けします。
Shock!【10】は今日か明日にUPします。
この話は眼鏡×御堂ですが、御堂×眼鏡に立場が変化します。
そして話が進むにつれて眼鏡のキャラ崩壊が激しいでしです(爆)
覚悟して大丈夫な方のみ続きからお読み下さい。
今日は連載中のShock!ではなく、新連載「眼鏡100%」をお届けします。
Shock!【10】は今日か明日にUPします。
この話は眼鏡×御堂ですが、御堂×眼鏡に立場が変化します。
そして話が進むにつれて眼鏡のキャラ崩壊が激しいでしです(爆)
覚悟して大丈夫な方のみ続きからお読み下さい。
アクワイヤ・アソシエーション設立から2年が経った。
当初は佐伯、御堂の他に従業員は藤田1人だったが、会社の経営は順調に進み従業員は100人を超えるまでの規模に成長した。
中堅の経営コンサルタント系の会社では今最も注目を集め、度々雑誌で紹介されるようにもなっている。
共同経営者の佐伯と御堂は、プライベートでも恋人同士として順調に愛を育んでいた
何もかも順風満帆に進んでいた。
そんな時、突然事件は起こった…。
「佐伯!お前その顔どうしたんだ!?」
外営業から帰社した社長の佐伯の額に、出かける時にはなかった小さな青痣と、出かける時には付けていた筈の眼鏡が無くなっていた。
御堂は咄嗟に駆け寄り両手で顔を包みこむ。
心配気な顔で顔を覗き込んでくる御堂に、克哉は苦笑しながら
「俺とした事が、駅の階段で迂闊にも踏み外して転倒した。まぁかすり傷だ」
と答えた。
「眼鏡はどうした?壊れたのか?」
「テンプルの部分が折れた。これはもう使えないな」
なかなか気に入ってたのにと溜め息をつく。
御堂が「手当しよう」と申し出るも、佐伯は「大丈夫だ」と断った。
拒否された御堂は少し肩を落としたが、佐伯はニヤリと笑みを浮かべて、御堂の耳元で囁いた。
「会社でそんな顔するな。欲しくなるだろ?」
「……!!」
低く甘く囁かれた克哉の声に御堂は耳まで赤くなる。
「佐伯…ここは…会社だ」
「わかってる」
帰宅したら…な?
「…君は馬鹿だ…」
「俺は御堂さんの事になると馬鹿になるんです」
2人だけの社長室で軽くキスを交わすと、2人は即仕事の顔になり、残りの仕事を片付け始めた。
克哉と御堂が仕事を終えたのは19時だった。
今日は金曜日。そのまま一緒に帰宅するかと思いきや、克哉は眼鏡を買いに行くから、御堂に先に帰宅しててくれと言ってきた。
「明日一緒に買いに行けばいいだろう。眼鏡がなくても見えるだろう?」
御堂は克哉の眼鏡が伊達である事を知っていた。
しかし克哉は眉間の辺りを押さえて「眼鏡が無いと落ち着かない」と言った
風呂に入るのと寝る以外、佐伯は目が良いのにも関わらず常に眼鏡を付けている。
たまに寝てる時も付けてる事があり、危ないので何度かそっと外した事がある。
(セックスの時もほぼ付けてるな…)
御堂は苦笑しながらも赤くなる。
佐伯克哉にとって眼鏡は顔の一部なのだろう。
そうゆう気持は理解出来なくもない。
本当なら同行したい御堂だが、今日は注文していたワインが届く事になっている。
なかなか手に入らない貴重なワインを知りあいの伝で手に入れて数日前から楽しみにしていたのだ。
せっかくの金曜日に早く仕事が引けたのだから2人で楽しく飲みたい。そして……。
『帰宅したら…な?』
佐伯の言葉が蘇ってくる。
シャワーを浴びて、ワインを飲みながら語らって、その後は―――。
「早く帰って来い」
仏頂面で赤くなる御堂に、克哉は「はい」と笑顔で答えた。
これが御堂が「普通の佐伯」と触れ合った最後の時であったとは、この時点で誰が想像出来ただろうか。
行きつけの眼鏡屋を訪れた佐伯だが、どうもしっくりくるものがない。
御堂を家で待たせてるので、他の店を見ている余裕もないので、とりあえず、妥協したものを購入して店を出る。
しかしあまり気に入っているものではないので、どうにも落ち着かなかった。
(つけないよりはマシなんだが…)
あの日以来、佐伯にとって眼鏡は無くてはならないものになっていた。
眼鏡を付けた事で、完成した自分が出来た。
今はただの飾りにしかすぎないが、眼鏡は自分のアイデンティティの象徴と言っても過言ではない。
明日御堂と一緒に探すか…。
眼鏡をかけた所為で御堂を奈落につき落としたが、御堂と今の関係にあるのは眼鏡のおかけでもある。
今日折れた眼鏡はMrRから貰った眼鏡ではなく、デザインが似通った普通の眼鏡。
あの御堂と分れた翌日に処分した。
少し後悔する事もある。結局あの眼鏡が一番しっくりくるものだったからだ。
(皮肉なものだな)
克哉は夜空を見上げた。
雲のない空には三日月の月が青白く輝いて、いつもより星がよく見える。
(明日は晴れだな)
早く帰ろう。自宅には愛しい人が待っている。
大通りでタクシーをつかまえようとした、その時だった。
「こんばんは、佐伯克哉さん」
背後から男に声を掛けられた。
克哉は一瞬顔を強張らせる。その声にかなり聞き覚えがあった。
後を振り返ると、全身黒ずくめの、優美な笑みをたたえる男が立っていた。
「MrR…!」
「覚えてて下さったんですが。光栄でございます」
お会いしたかった。そう言って帽子を脱いで一礼する。
「何の用だ。俺は会いたくなかったな」
「それは冷たいですね」
でもそこが貴方の魅力なんですが。そう言うとふふっと笑った。
「悪いが先を急ぐ。お前に構ってる暇などない」
「手間はとらせません。お渡ししたい物がございまして・・・」
MrRは胸ポケットから渡したい物を取り出した。
佐伯は目を見開いた。
「これは・・・」
「『眼鏡』ですよ」
MrRは満面の笑みになる。
「眼鏡をお探しだったのでしょう?」
「貴様・・・」
克哉は眉間に深い皺を刻む。
「結構だ。貴様などから物を貰うつもりは一切ない」
「警戒なさらなくても、これはただの眼鏡ですよ?」
「嘘をつけ」
「本当ですよ」
初めて会った時も同じ事を言って騙された。
ある意味今の自分がいるのは、MrRの眼鏡のお陰ではあるのだが。
「貴様の眼鏡になど頼らなくても、俺には十分過ぎる程の能力がある。だから不要だ」
「ええ。貴方様の才能は十分に存じ上げております。
しかしこれは本当にただの眼鏡です。貴方様のお力を左右する力などございません」
MrRはほほ笑みながら、そっと眼鏡を差し出した。
きっと誰もがその笑みに心を許してしまうだろうが、佐伯はそうはいかないと、フンと鼻で笑い、MrRの手にある眼鏡を睨みつけた。
「お前が持ってくるものだ。必ず何かあるに違いない。俺はその眼鏡から邪気を感じるな」
「信用されてませんね。本当にこれはただの…」
自分の手にある眼鏡をみつめながら喋っていたMrRは、怪訝そうな顔になると言葉を続けるのを止めた。
その様子を佐伯は「ん?」と左眉を上げて注目した。
すぐ表情を取り戻すと、MrRは佐伯に賛美の言葉を浴びせた。
「…さすがは私の見込んだ御方ですね。この眼鏡の呪に気づくなど」
普通の眼鏡と言い張っていたMrRは突然自分の差し出した眼鏡が呪があると言いだした。
突拍子のないその変化に、さすがの佐伯も一瞬その場で滑りそうになる。
「何を言っている?開き治ったのか?」
いいえと首を振りMrRは言葉を続けた。
「持参してくる眼鏡を間違いました。
これは貴方のような高貴な御方が持つに相応しくない眼鏡なのです」
間違っただと?この胡散臭い男が?
佐伯の顔は顔面神経痛のような表情で、問いただす。
「お前の言ってる事や行動はまったく支離滅裂で不可解だ。ラッキーアイテムの次は呪の眼鏡か!」
「申し訳ありません。佐伯様。今晩は失礼致しまして、また後日「ただの眼鏡」を持参致します」
「また俺の前に現れるつもりなのか?くれるといって間違ったから引っ込めるのか」
「ええ。貴方のような御方には相応しくない眼鏡ですから」
貴方のような御方には相応しくない眼鏡ですから
満面の笑みで言われたその言葉に、佐伯はカチンときた。
「そんなに俺はその眼鏡に相応しくない男なのか?」
「はい。まったく」
「…そうか、まったく相応しくないのか」
「はい。全然」
その瞬間、佐伯はついにキレた。
MrRの手から眼鏡を奪い取る。
「佐伯様?!」
驚いたMrRの顔に佐伯は極上の悪そうな笑みを浮かべる。
「貴様もそんな表情をするんだな。クククッ…面白い」
「佐伯様。いけません」
「何がいけないんだ?」
克哉は先程購入した眼鏡を外した。
「その眼鏡は人間としての価値に値しないぐらいに大変頭が悪く、性根も腐った男の霊が取り憑いてる眼鏡です。かけた者は魂を乗っ取られ、憑いた男と同レベルになってしまいます」
アホらしい。
「そんなにこの眼鏡にご執心らしいな。だったら試してやる。貴様が絶賛している才能を持った俺が、そんな腐ったヘタレに成り下がるのかをな!」
そして佐伯克哉は再び「呪の眼鏡」を装着した。
「佐伯様…!嗚呼…!何て事に…!」
視界が暗くなる。
意識が消える直前に、眼鏡をかけた肥満でピチピチのTシャツを着て頭に赤いバンダナを巻いた小汚い男を見た。
時計の針は23時を指していた。
すぐ戻ると言っていた佐伯は、未だに家に帰って来ない。
御堂はしびれを切らして、今日届いたばかりのワインを開けて1人で食事を始めた。
(すぐに帰ってくると言ったのに…!佐伯の奴!)
御堂はあの後すぐに帰宅して、荷物を受け取り、夕食の準備をして、シャワーまで浴びて待っていた。
しかし待てど暮らせど帰ってこない恋人に怒りは頂点に達していた。
その時玄関のチャイムが鳴った。
御堂は玄関に急いで出向いて勢いよく扉を開ける。そこには待ちに待った恋人の姿があった。
「佐伯!お前何処まで眼鏡を買いに行ったんだ!!何処で油を売っていた?!」
帰ってきた嬉しさより、待たされ過ぎた怒りが勝っていたので、御堂は佐伯を怒鳴りつけた。
そんな御堂に佐伯は
「ただいま。孝りん」と御堂に告げた。
思わず御堂も「ああ。おかえり」と言うも、その後すぐに佐伯が呼んだ自分の名称に強烈な衝撃を感じた。
た か り ん ? !
「さ…佐伯?お前…今…私をなんて呼んだんだ…?」
「遅くなって悪かった…。あ、飯を食ってたか?」
御堂の問いかけに、佐伯はまったく違う質問で返えしてきた。
明らかに佐伯の様子がいつもと違う。
御堂は怒りを忘れて呆然となった。
「そういえば孝りんにお土産買って来たんだ」
佐伯は深いブルーのビニール袋からDVDを取り出した。
「ハルヒのDVD全セット。飲みながら一緒に見よう。ついでにジャ○プの早売り買ってきたから孝りんも読んでいいぞ!」
「………ハルヒ?…ジャ○プ……?」
……何…それ……?
御堂はソファの上に座り、着替えもせずに嬉しそうにDVDを開ける佐伯をただ呆然と見つめ続けていた。
そしてここから恋人である御堂孝典の憂鬱で激動の日々の幕開けだった…。
=======================================
この話は大好きな少年ジャンプで連載中のマンガ銀魂の話の一部分をネタにしてます。
ベースは眼鏡×御堂ですが、この先は御堂×眼鏡に話が展開します。
激しく眼鏡のキャラが崩壊するので、大丈夫そうな方のみご覧下さい(汗)
本当は資格の喪失Endベースのシリアス話「哀歌」を先にUPしようと思ったんですが、
あまりに悲惨になってきたので、ちょっと色々と悩んでたら、こんなどうしようもない話が浮かびました(爆)
明日はShock!【10】をお届します。
宜しければ拍手ボタンを押して頂けると励みになります。
お言葉を頂けると更に嬉しいです!!
当初は佐伯、御堂の他に従業員は藤田1人だったが、会社の経営は順調に進み従業員は100人を超えるまでの規模に成長した。
中堅の経営コンサルタント系の会社では今最も注目を集め、度々雑誌で紹介されるようにもなっている。
共同経営者の佐伯と御堂は、プライベートでも恋人同士として順調に愛を育んでいた
何もかも順風満帆に進んでいた。
そんな時、突然事件は起こった…。
「佐伯!お前その顔どうしたんだ!?」
外営業から帰社した社長の佐伯の額に、出かける時にはなかった小さな青痣と、出かける時には付けていた筈の眼鏡が無くなっていた。
御堂は咄嗟に駆け寄り両手で顔を包みこむ。
心配気な顔で顔を覗き込んでくる御堂に、克哉は苦笑しながら
「俺とした事が、駅の階段で迂闊にも踏み外して転倒した。まぁかすり傷だ」
と答えた。
「眼鏡はどうした?壊れたのか?」
「テンプルの部分が折れた。これはもう使えないな」
なかなか気に入ってたのにと溜め息をつく。
御堂が「手当しよう」と申し出るも、佐伯は「大丈夫だ」と断った。
拒否された御堂は少し肩を落としたが、佐伯はニヤリと笑みを浮かべて、御堂の耳元で囁いた。
「会社でそんな顔するな。欲しくなるだろ?」
「……!!」
低く甘く囁かれた克哉の声に御堂は耳まで赤くなる。
「佐伯…ここは…会社だ」
「わかってる」
帰宅したら…な?
「…君は馬鹿だ…」
「俺は御堂さんの事になると馬鹿になるんです」
2人だけの社長室で軽くキスを交わすと、2人は即仕事の顔になり、残りの仕事を片付け始めた。
克哉と御堂が仕事を終えたのは19時だった。
今日は金曜日。そのまま一緒に帰宅するかと思いきや、克哉は眼鏡を買いに行くから、御堂に先に帰宅しててくれと言ってきた。
「明日一緒に買いに行けばいいだろう。眼鏡がなくても見えるだろう?」
御堂は克哉の眼鏡が伊達である事を知っていた。
しかし克哉は眉間の辺りを押さえて「眼鏡が無いと落ち着かない」と言った
風呂に入るのと寝る以外、佐伯は目が良いのにも関わらず常に眼鏡を付けている。
たまに寝てる時も付けてる事があり、危ないので何度かそっと外した事がある。
(セックスの時もほぼ付けてるな…)
御堂は苦笑しながらも赤くなる。
佐伯克哉にとって眼鏡は顔の一部なのだろう。
そうゆう気持は理解出来なくもない。
本当なら同行したい御堂だが、今日は注文していたワインが届く事になっている。
なかなか手に入らない貴重なワインを知りあいの伝で手に入れて数日前から楽しみにしていたのだ。
せっかくの金曜日に早く仕事が引けたのだから2人で楽しく飲みたい。そして……。
『帰宅したら…な?』
佐伯の言葉が蘇ってくる。
シャワーを浴びて、ワインを飲みながら語らって、その後は―――。
「早く帰って来い」
仏頂面で赤くなる御堂に、克哉は「はい」と笑顔で答えた。
これが御堂が「普通の佐伯」と触れ合った最後の時であったとは、この時点で誰が想像出来ただろうか。
行きつけの眼鏡屋を訪れた佐伯だが、どうもしっくりくるものがない。
御堂を家で待たせてるので、他の店を見ている余裕もないので、とりあえず、妥協したものを購入して店を出る。
しかしあまり気に入っているものではないので、どうにも落ち着かなかった。
(つけないよりはマシなんだが…)
あの日以来、佐伯にとって眼鏡は無くてはならないものになっていた。
眼鏡を付けた事で、完成した自分が出来た。
今はただの飾りにしかすぎないが、眼鏡は自分のアイデンティティの象徴と言っても過言ではない。
明日御堂と一緒に探すか…。
眼鏡をかけた所為で御堂を奈落につき落としたが、御堂と今の関係にあるのは眼鏡のおかけでもある。
今日折れた眼鏡はMrRから貰った眼鏡ではなく、デザインが似通った普通の眼鏡。
あの御堂と分れた翌日に処分した。
少し後悔する事もある。結局あの眼鏡が一番しっくりくるものだったからだ。
(皮肉なものだな)
克哉は夜空を見上げた。
雲のない空には三日月の月が青白く輝いて、いつもより星がよく見える。
(明日は晴れだな)
早く帰ろう。自宅には愛しい人が待っている。
大通りでタクシーをつかまえようとした、その時だった。
「こんばんは、佐伯克哉さん」
背後から男に声を掛けられた。
克哉は一瞬顔を強張らせる。その声にかなり聞き覚えがあった。
後を振り返ると、全身黒ずくめの、優美な笑みをたたえる男が立っていた。
「MrR…!」
「覚えてて下さったんですが。光栄でございます」
お会いしたかった。そう言って帽子を脱いで一礼する。
「何の用だ。俺は会いたくなかったな」
「それは冷たいですね」
でもそこが貴方の魅力なんですが。そう言うとふふっと笑った。
「悪いが先を急ぐ。お前に構ってる暇などない」
「手間はとらせません。お渡ししたい物がございまして・・・」
MrRは胸ポケットから渡したい物を取り出した。
佐伯は目を見開いた。
「これは・・・」
「『眼鏡』ですよ」
MrRは満面の笑みになる。
「眼鏡をお探しだったのでしょう?」
「貴様・・・」
克哉は眉間に深い皺を刻む。
「結構だ。貴様などから物を貰うつもりは一切ない」
「警戒なさらなくても、これはただの眼鏡ですよ?」
「嘘をつけ」
「本当ですよ」
初めて会った時も同じ事を言って騙された。
ある意味今の自分がいるのは、MrRの眼鏡のお陰ではあるのだが。
「貴様の眼鏡になど頼らなくても、俺には十分過ぎる程の能力がある。だから不要だ」
「ええ。貴方様の才能は十分に存じ上げております。
しかしこれは本当にただの眼鏡です。貴方様のお力を左右する力などございません」
MrRはほほ笑みながら、そっと眼鏡を差し出した。
きっと誰もがその笑みに心を許してしまうだろうが、佐伯はそうはいかないと、フンと鼻で笑い、MrRの手にある眼鏡を睨みつけた。
「お前が持ってくるものだ。必ず何かあるに違いない。俺はその眼鏡から邪気を感じるな」
「信用されてませんね。本当にこれはただの…」
自分の手にある眼鏡をみつめながら喋っていたMrRは、怪訝そうな顔になると言葉を続けるのを止めた。
その様子を佐伯は「ん?」と左眉を上げて注目した。
すぐ表情を取り戻すと、MrRは佐伯に賛美の言葉を浴びせた。
「…さすがは私の見込んだ御方ですね。この眼鏡の呪に気づくなど」
普通の眼鏡と言い張っていたMrRは突然自分の差し出した眼鏡が呪があると言いだした。
突拍子のないその変化に、さすがの佐伯も一瞬その場で滑りそうになる。
「何を言っている?開き治ったのか?」
いいえと首を振りMrRは言葉を続けた。
「持参してくる眼鏡を間違いました。
これは貴方のような高貴な御方が持つに相応しくない眼鏡なのです」
間違っただと?この胡散臭い男が?
佐伯の顔は顔面神経痛のような表情で、問いただす。
「お前の言ってる事や行動はまったく支離滅裂で不可解だ。ラッキーアイテムの次は呪の眼鏡か!」
「申し訳ありません。佐伯様。今晩は失礼致しまして、また後日「ただの眼鏡」を持参致します」
「また俺の前に現れるつもりなのか?くれるといって間違ったから引っ込めるのか」
「ええ。貴方のような御方には相応しくない眼鏡ですから」
貴方のような御方には相応しくない眼鏡ですから
満面の笑みで言われたその言葉に、佐伯はカチンときた。
「そんなに俺はその眼鏡に相応しくない男なのか?」
「はい。まったく」
「…そうか、まったく相応しくないのか」
「はい。全然」
その瞬間、佐伯はついにキレた。
MrRの手から眼鏡を奪い取る。
「佐伯様?!」
驚いたMrRの顔に佐伯は極上の悪そうな笑みを浮かべる。
「貴様もそんな表情をするんだな。クククッ…面白い」
「佐伯様。いけません」
「何がいけないんだ?」
克哉は先程購入した眼鏡を外した。
「その眼鏡は人間としての価値に値しないぐらいに大変頭が悪く、性根も腐った男の霊が取り憑いてる眼鏡です。かけた者は魂を乗っ取られ、憑いた男と同レベルになってしまいます」
アホらしい。
「そんなにこの眼鏡にご執心らしいな。だったら試してやる。貴様が絶賛している才能を持った俺が、そんな腐ったヘタレに成り下がるのかをな!」
そして佐伯克哉は再び「呪の眼鏡」を装着した。
「佐伯様…!嗚呼…!何て事に…!」
視界が暗くなる。
意識が消える直前に、眼鏡をかけた肥満でピチピチのTシャツを着て頭に赤いバンダナを巻いた小汚い男を見た。
時計の針は23時を指していた。
すぐ戻ると言っていた佐伯は、未だに家に帰って来ない。
御堂はしびれを切らして、今日届いたばかりのワインを開けて1人で食事を始めた。
(すぐに帰ってくると言ったのに…!佐伯の奴!)
御堂はあの後すぐに帰宅して、荷物を受け取り、夕食の準備をして、シャワーまで浴びて待っていた。
しかし待てど暮らせど帰ってこない恋人に怒りは頂点に達していた。
その時玄関のチャイムが鳴った。
御堂は玄関に急いで出向いて勢いよく扉を開ける。そこには待ちに待った恋人の姿があった。
「佐伯!お前何処まで眼鏡を買いに行ったんだ!!何処で油を売っていた?!」
帰ってきた嬉しさより、待たされ過ぎた怒りが勝っていたので、御堂は佐伯を怒鳴りつけた。
そんな御堂に佐伯は
「ただいま。孝りん」と御堂に告げた。
思わず御堂も「ああ。おかえり」と言うも、その後すぐに佐伯が呼んだ自分の名称に強烈な衝撃を感じた。
た か り ん ? !
「さ…佐伯?お前…今…私をなんて呼んだんだ…?」
「遅くなって悪かった…。あ、飯を食ってたか?」
御堂の問いかけに、佐伯はまったく違う質問で返えしてきた。
明らかに佐伯の様子がいつもと違う。
御堂は怒りを忘れて呆然となった。
「そういえば孝りんにお土産買って来たんだ」
佐伯は深いブルーのビニール袋からDVDを取り出した。
「ハルヒのDVD全セット。飲みながら一緒に見よう。ついでにジャ○プの早売り買ってきたから孝りんも読んでいいぞ!」
「………ハルヒ?…ジャ○プ……?」
……何…それ……?
御堂はソファの上に座り、着替えもせずに嬉しそうにDVDを開ける佐伯をただ呆然と見つめ続けていた。
そしてここから恋人である御堂孝典の憂鬱で激動の日々の幕開けだった…。
=======================================
この話は大好きな少年ジャンプで連載中のマンガ銀魂の話の一部分をネタにしてます。
ベースは眼鏡×御堂ですが、この先は御堂×眼鏡に話が展開します。
激しく眼鏡のキャラが崩壊するので、大丈夫そうな方のみご覧下さい(汗)
本当は資格の喪失Endベースのシリアス話「哀歌」を先にUPしようと思ったんですが、
あまりに悲惨になってきたので、ちょっと色々と悩んでたら、こんなどうしようもない話が浮かびました(爆)
明日はShock!【10】をお届します。
宜しければ拍手ボタンを押して頂けると励みになります。
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