Shock!【1】
ご注意下さい。
この話は克哉(ノマ)女体化です。
本多ルートの「恋に限りなく似た」エンドをベースにしてますが、これは御堂×克哉ストーリーに展開します。かわいそうな本多にも注意です。
地雷だらけの話なので、本当に大丈夫なお方のみ続きからご覧になって下さい。
世の中には受け入れられる事と受け入れられない事がある。
今の自分の現状は明らかに受け入れられない事だった。
朝目が覚めてから、克哉はすでに2時間近く全裸で姿鏡の前にいた。
鏡から目をそらし、おもいっきり頬を抓り、涙がにじむほど痛みを感じたら、再び鏡を直視して、自分の容姿を確認しては乾いた笑みを漏らすとゆう、かなり奇怪な行動を繰り返していた。
行動が奇怪というより、今の克哉は全部がおかしいのだ。
佐伯克哉25歳。性別男。
それは昨日の晩までの話。
朝目が覚めると、克哉の体は、どこからどう見ても「女性」になっていた。
まさに青天の霹靂。
いくら抓って痛みを感じても覚めぬ現状を「現実」だと知った時、克哉は部屋中が地響きするぐらいに大きな悲鳴を上げてベッドに倒れ込んだ。
しかし克哉には、こんなありえない状態になった原因に心当たりがあった。
それは昨晩の出来事―――。
昨日は週末で、珍しく仕事も切りよく終えた克哉と本多は久々に2人だけで居酒屋で飲んだ。
プロトファイバーの一件で営業8課はキクチの花形部署になり、社長賞を受けた克哉と本多は以前とは比べられない程忙しくなった。
しかし本多は忙しさの合間で克哉に飲みや遊びに誘ってはくれていたが、克哉は都合が合わないと断り続けていた。
仕事が忙しいのもあったが、それ以外で克哉が本多のプライベートな誘いを避けている理由があった。
最大の理由。それは……。
「なぁ克哉。そろそろ俺に惚れる気になったか?」
2杯目のビールジョッキが空になった頃、本多は克哉が避けていた原因だった話題を持ち出してきた。
やっぱり来たかと克哉の額に汗が滲んだ。
「…今日はその話題はやめないか?久々の飲みなんだしさ」
「克哉、俺は本気でお前が好きだ」
「本多……やめてくれよ」
「俺はお前の事じゃないと駄目なんだ」
「もう酔ったのか?そう言えばこの前……」
「克哉!!」
必死に空気を変えようと、関係のない話を持ち出した克哉だったが、本多は急に立ち上がり、怒鳴るような大きな声で克哉の名前を呼んだ。
声は居酒屋中に響き、驚いた他の客達の注目を浴びる。
「本多!恥ずかしいじゃないか!」
「ご…ごめん…」
周囲の視線と克哉の叱咤で本多は我に返り、やや赤面しながらおとなしく椅子に着席した。その様子に客達の視線も自然に反れて、個々の話題へ戻っていった。
「ごめん克哉。つい熱くなっちまって…」
「もういいから…」
克哉は僅かに残っていたジョッキの液体を飲みほすと席を立った。
「悪い本多。用事があるからもう帰るな。最近忙しかったからお前もきっと疲れてるんだよ。土日にゆっくり疲れを癒せよ」
そう言って机の上に飲み代を置くと、克哉は逃げるようにその場から退散した。
その後、なんだか家に帰る気にはなれず、近所の公園のベンチで夕涼みをしていた。
何となく口寂しかったので缶ビールを購入したが、一口飲んで溜息を吐いたら、それ以上飲む気が失せた。
本多は長年の親友だった。
それ以上でもそれ以下でもない。
プロトファイバーの1件で、克哉と本多は仕事上でのパートナーとしての絆は深まった。
しかし『親友』としての気の置けない関係は、先程のようにギクシャクしたものになっている。
『必ずお前を、俺に惚れさせてやる』
そう言われたのが3か月前。
しかし3か月経っても、克哉は本多に対して『親友』とゆう感情以外は持てずにいた。
「だってしょうがないよ…本多は男で、俺も男だし……」
再び大きなため息を吐く。
そんな時に、克哉はふと半年前の出来事を思い出した。
そういえばこんな夜だった。俺がMr.Rに会ったのは。
あれが全ての始まりだった。もう会う事はないと思うけど……。
そんな事を考えていた次の瞬間、背後から信じられない声を聞いた。
「こんばんわ。佐伯克哉さん」
「?!」
克哉は恐る恐る後を振り向いてみた。すると……。
「……いた……」
「ふふふ。やはりまたお会いする事が出来ましましたね」
声の主は、もう絶対に会う事がないだろうと思っていたMr.Rだった。
「Mr.R……何をしに来たんですか?」
「私のような者の名前を、まだ覚えていて下さったなんて光栄ですよ」
Mr.Rは嬉しそうに微笑んでいる。
それに比べて克哉の顔は完全に引きつっていた。
「愛する貴方が悩んでおられたので、居てもたってもいられなくなりまして、助けに参ったのですよ」
Mr.R言葉に、克哉の背筋は凍った。
冗談ではない。もう二度と関わるのはご免だ。
「折角ですが、俺は悩んでなんかいませんから。今は仕事も順調ですし、眼鏡に頼らなくても、自分の力で何とか出来ますから」
克哉は精一杯、冷たくあしらったのに、Mr.Rは更に恍惚の表情を浮かべて喜んだ。
「それはすばらしい。貴方は元々優れた才能をお持ちですから、眼鏡が無くとも高みに登られる方だと分かっておりました」
「……では、どうしてまた俺の前に現れたんですか?」
「現われてはいけませんでしたか?私はあなたの事を一時も忘れた事などないぐらいに会いたかったのですよ?」
「……悪いんですけど、俺は出来れば会いたくなかったです」
露骨に嫌悪感を示す克哉に対して、Mr.Rは残念そうな表情で「つれないですね」と呟くが、まったく引く様子は無いようで、話を続けてきた。
「人が抱く悩みは仕事の悩みだけではないでしょう?
例えば恋愛。どうでもいい人ならにべもなく突き放せるのに、大切な人だからこそ、受け入れられないのが辛い。そんな悩みを抱えているのではありませんか?」
「!」
克哉は息を飲んだ。この男の言動は、いつも恐ろしいぐらいに図星をついてくる。
「た……例え困った事が起こったとしても、俺にはもう眼鏡は必要ありませんから!!」
克哉は再度眼鏡を完全拒否したが、内心はかなり動揺していた。
そんな様子を見透かしているように、Mr.Rは笑みを絶やさない。
何だか馬鹿にされている気がして、克哉はだんだん腹はたってくると同時に怖くなってきた。
きっとこの男は、全ての事情を分かっている。
この半年間の事も全部知っている。ただ自分が気づかなかっただけで、この男はどこかで自分の生活の一部始終を見ていたのかもしれない。
そう考えたら恐ろしい。
そんな克哉の心情を察したのか、Mr.Rは「もう貴方に眼鏡を差し上げるつもりはありませんよ」と前置きした上で「これを」と真っ赤に熟れた拳ぐらいの大きさの柘榴を差し出してきた。
「私が参上した理由は、ただ貴方に元気を取り戻して頂きたかっただけです。どうぞ甘い果物でも召し上がって元気を出して下さい」
「え……柘榴?」
「とても甘くておいしいですよ」
克哉は引いた。眼鏡では無いものの、この男から貰うものは絶対に怪しい。
「別に毒などは入っていませんよ。ただの普通の柘榴です」
『ただの普通の』という言葉を強調しているあたりで更に胡散臭さが増している。
「別にお気に召さないようでしたら、捨てて結構です」
そう言われて、克哉は迂闊にも受け取ってしまった。
「では、私はこれで失礼します。またお会い出来るといいですね」
Mr.Rは軽く一礼すると、いつものパターンで、そのままどこかへ行ってしまった。
何だったのだろう…。
克哉の額から一筋の汗が流れた。
手の中の柘榴を凝視する。
見た目は至って普通の柘榴だ。形もいい。
匂いを嗅いでみる。何とも言えない甘い匂いが鼻を満たしてきた。
おいしそう…。
克哉の喉が鳴った。
だが慎重になれ。
贈り主はあのMr.Rだ。
眼鏡だって見た目は普通の眼鏡だったのに、かけたら大変な事になった。
これだって食べた後どうなるか分からない。
でも…。
「一口だけ…」
あまりに良い香りがする柘榴の誘惑に勝てなかった。
一口かじってみる。
体に変化はない。しかも……。
「すごく美味い…!」
一口食べたら止まらなかった。克哉はそのままむしゃぶりつづけ、瞬く間に柘榴を平らげてしまった。
それからアパートに帰ってシャワー浴びて、少しTV見てから、床に入った。
床に入って意識が途絶えるまでは変わらなかった。変わらなかったのに、目覚めてみたら今度は人格ではなく性別が変わっていた。
「Mr.Rの大嘘つき!今すぐ元に戻せ!バカァ!!」
泣きじゃくりながら叫ぶ克哉だったが、そんな声も虚しく、身体は元には戻らなかった。
アパートの外には、そんな克哉の様子に微笑むMr.Rがいた。
「元気になられて何よりです。どうぞ、存分にご堪能あれ」
【2】へ続きます。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
この話は克哉(ノマ)女体化です。
本多ルートの「恋に限りなく似た」エンドをベースにしてますが、これは御堂×克哉ストーリーに展開します。かわいそうな本多にも注意です。
地雷だらけの話なので、本当に大丈夫なお方のみ続きからご覧になって下さい。
世の中には受け入れられる事と受け入れられない事がある。
今の自分の現状は明らかに受け入れられない事だった。
朝目が覚めてから、克哉はすでに2時間近く全裸で姿鏡の前にいた。
鏡から目をそらし、おもいっきり頬を抓り、涙がにじむほど痛みを感じたら、再び鏡を直視して、自分の容姿を確認しては乾いた笑みを漏らすとゆう、かなり奇怪な行動を繰り返していた。
行動が奇怪というより、今の克哉は全部がおかしいのだ。
佐伯克哉25歳。性別男。
それは昨日の晩までの話。
朝目が覚めると、克哉の体は、どこからどう見ても「女性」になっていた。
まさに青天の霹靂。
いくら抓って痛みを感じても覚めぬ現状を「現実」だと知った時、克哉は部屋中が地響きするぐらいに大きな悲鳴を上げてベッドに倒れ込んだ。
しかし克哉には、こんなありえない状態になった原因に心当たりがあった。
それは昨晩の出来事―――。
昨日は週末で、珍しく仕事も切りよく終えた克哉と本多は久々に2人だけで居酒屋で飲んだ。
プロトファイバーの一件で営業8課はキクチの花形部署になり、社長賞を受けた克哉と本多は以前とは比べられない程忙しくなった。
しかし本多は忙しさの合間で克哉に飲みや遊びに誘ってはくれていたが、克哉は都合が合わないと断り続けていた。
仕事が忙しいのもあったが、それ以外で克哉が本多のプライベートな誘いを避けている理由があった。
最大の理由。それは……。
「なぁ克哉。そろそろ俺に惚れる気になったか?」
2杯目のビールジョッキが空になった頃、本多は克哉が避けていた原因だった話題を持ち出してきた。
やっぱり来たかと克哉の額に汗が滲んだ。
「…今日はその話題はやめないか?久々の飲みなんだしさ」
「克哉、俺は本気でお前が好きだ」
「本多……やめてくれよ」
「俺はお前の事じゃないと駄目なんだ」
「もう酔ったのか?そう言えばこの前……」
「克哉!!」
必死に空気を変えようと、関係のない話を持ち出した克哉だったが、本多は急に立ち上がり、怒鳴るような大きな声で克哉の名前を呼んだ。
声は居酒屋中に響き、驚いた他の客達の注目を浴びる。
「本多!恥ずかしいじゃないか!」
「ご…ごめん…」
周囲の視線と克哉の叱咤で本多は我に返り、やや赤面しながらおとなしく椅子に着席した。その様子に客達の視線も自然に反れて、個々の話題へ戻っていった。
「ごめん克哉。つい熱くなっちまって…」
「もういいから…」
克哉は僅かに残っていたジョッキの液体を飲みほすと席を立った。
「悪い本多。用事があるからもう帰るな。最近忙しかったからお前もきっと疲れてるんだよ。土日にゆっくり疲れを癒せよ」
そう言って机の上に飲み代を置くと、克哉は逃げるようにその場から退散した。
その後、なんだか家に帰る気にはなれず、近所の公園のベンチで夕涼みをしていた。
何となく口寂しかったので缶ビールを購入したが、一口飲んで溜息を吐いたら、それ以上飲む気が失せた。
本多は長年の親友だった。
それ以上でもそれ以下でもない。
プロトファイバーの1件で、克哉と本多は仕事上でのパートナーとしての絆は深まった。
しかし『親友』としての気の置けない関係は、先程のようにギクシャクしたものになっている。
『必ずお前を、俺に惚れさせてやる』
そう言われたのが3か月前。
しかし3か月経っても、克哉は本多に対して『親友』とゆう感情以外は持てずにいた。
「だってしょうがないよ…本多は男で、俺も男だし……」
再び大きなため息を吐く。
そんな時に、克哉はふと半年前の出来事を思い出した。
そういえばこんな夜だった。俺がMr.Rに会ったのは。
あれが全ての始まりだった。もう会う事はないと思うけど……。
そんな事を考えていた次の瞬間、背後から信じられない声を聞いた。
「こんばんわ。佐伯克哉さん」
「?!」
克哉は恐る恐る後を振り向いてみた。すると……。
「……いた……」
「ふふふ。やはりまたお会いする事が出来ましましたね」
声の主は、もう絶対に会う事がないだろうと思っていたMr.Rだった。
「Mr.R……何をしに来たんですか?」
「私のような者の名前を、まだ覚えていて下さったなんて光栄ですよ」
Mr.Rは嬉しそうに微笑んでいる。
それに比べて克哉の顔は完全に引きつっていた。
「愛する貴方が悩んでおられたので、居てもたってもいられなくなりまして、助けに参ったのですよ」
Mr.R言葉に、克哉の背筋は凍った。
冗談ではない。もう二度と関わるのはご免だ。
「折角ですが、俺は悩んでなんかいませんから。今は仕事も順調ですし、眼鏡に頼らなくても、自分の力で何とか出来ますから」
克哉は精一杯、冷たくあしらったのに、Mr.Rは更に恍惚の表情を浮かべて喜んだ。
「それはすばらしい。貴方は元々優れた才能をお持ちですから、眼鏡が無くとも高みに登られる方だと分かっておりました」
「……では、どうしてまた俺の前に現れたんですか?」
「現われてはいけませんでしたか?私はあなたの事を一時も忘れた事などないぐらいに会いたかったのですよ?」
「……悪いんですけど、俺は出来れば会いたくなかったです」
露骨に嫌悪感を示す克哉に対して、Mr.Rは残念そうな表情で「つれないですね」と呟くが、まったく引く様子は無いようで、話を続けてきた。
「人が抱く悩みは仕事の悩みだけではないでしょう?
例えば恋愛。どうでもいい人ならにべもなく突き放せるのに、大切な人だからこそ、受け入れられないのが辛い。そんな悩みを抱えているのではありませんか?」
「!」
克哉は息を飲んだ。この男の言動は、いつも恐ろしいぐらいに図星をついてくる。
「た……例え困った事が起こったとしても、俺にはもう眼鏡は必要ありませんから!!」
克哉は再度眼鏡を完全拒否したが、内心はかなり動揺していた。
そんな様子を見透かしているように、Mr.Rは笑みを絶やさない。
何だか馬鹿にされている気がして、克哉はだんだん腹はたってくると同時に怖くなってきた。
きっとこの男は、全ての事情を分かっている。
この半年間の事も全部知っている。ただ自分が気づかなかっただけで、この男はどこかで自分の生活の一部始終を見ていたのかもしれない。
そう考えたら恐ろしい。
そんな克哉の心情を察したのか、Mr.Rは「もう貴方に眼鏡を差し上げるつもりはありませんよ」と前置きした上で「これを」と真っ赤に熟れた拳ぐらいの大きさの柘榴を差し出してきた。
「私が参上した理由は、ただ貴方に元気を取り戻して頂きたかっただけです。どうぞ甘い果物でも召し上がって元気を出して下さい」
「え……柘榴?」
「とても甘くておいしいですよ」
克哉は引いた。眼鏡では無いものの、この男から貰うものは絶対に怪しい。
「別に毒などは入っていませんよ。ただの普通の柘榴です」
『ただの普通の』という言葉を強調しているあたりで更に胡散臭さが増している。
「別にお気に召さないようでしたら、捨てて結構です」
そう言われて、克哉は迂闊にも受け取ってしまった。
「では、私はこれで失礼します。またお会い出来るといいですね」
Mr.Rは軽く一礼すると、いつものパターンで、そのままどこかへ行ってしまった。
何だったのだろう…。
克哉の額から一筋の汗が流れた。
手の中の柘榴を凝視する。
見た目は至って普通の柘榴だ。形もいい。
匂いを嗅いでみる。何とも言えない甘い匂いが鼻を満たしてきた。
おいしそう…。
克哉の喉が鳴った。
だが慎重になれ。
贈り主はあのMr.Rだ。
眼鏡だって見た目は普通の眼鏡だったのに、かけたら大変な事になった。
これだって食べた後どうなるか分からない。
でも…。
「一口だけ…」
あまりに良い香りがする柘榴の誘惑に勝てなかった。
一口かじってみる。
体に変化はない。しかも……。
「すごく美味い…!」
一口食べたら止まらなかった。克哉はそのままむしゃぶりつづけ、瞬く間に柘榴を平らげてしまった。
それからアパートに帰ってシャワー浴びて、少しTV見てから、床に入った。
床に入って意識が途絶えるまでは変わらなかった。変わらなかったのに、目覚めてみたら今度は人格ではなく性別が変わっていた。
「Mr.Rの大嘘つき!今すぐ元に戻せ!バカァ!!」
泣きじゃくりながら叫ぶ克哉だったが、そんな声も虚しく、身体は元には戻らなかった。
アパートの外には、そんな克哉の様子に微笑むMr.Rがいた。
「元気になられて何よりです。どうぞ、存分にご堪能あれ」
【2】へ続きます。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
コメントの投稿
« Shock!【2】 l Home l 束縛志願 »



